第一生命の認知症保険は、加入しやすく一時金で備えられる反面、不担保期間や給付条件の厳しさなど注意点もあります。
本記事ではこの第一生命の認知症保険についてのメリット・デメリットを整理して解説します。
第一生命の認知症保険のメリット
第一生命の認知症保険は、「予防・早期発見」「心のケア」「保険金請求サポート」の3つの観点から独自のサービスを提供し、他社にはない付加価値を実現しています。
ここでは、そのメリットとして…
- かんたん告知で加入しやすい
- 高齢者でも加入可能
- 認知症による介護費用に一時金で備えられる
- 保険料が比較的お手頃
- 無料サービスが充実(業界初のサポートあり)
- 家族の安心・コミュニケーション促進
- 現金給付の使い道が自由
- 認知症リスクに特化して備えられる
…についてそれぞれ解説します。
かんたん告知で加入しやすい
第一生命の認知症保険は、健康状態に不安がある人にも配慮された「かんたん告知型」の商品です。
告知項目はわずか4つで、いずれも認知症に関連する既往歴がないかを問う簡単な内容です。
すべてに「いいえ」であれば申込みが可能で、他社の通常の保険では加入が難しい人でも対象となります。
これにより、保険に入りたくても健康上の理由で諦めていた方にも選択肢が広がります。
加入のハードルが低く、幅広い層のニーズに応える保険といえます。
高齢者でも加入可能
加入年齢の上限が85歳まで設定されているため、高齢者でも安心して申し込めます。
特に終身保障型では40歳から85歳までの幅広い年齢層が対象となっているのが特徴です。
年齢を重ねてから保険の必要性を感じた方でも対応可能な設計になっています。
長寿化が進む中で、高齢になっても入れる保険商品へのニーズは年々高まっています。
第一生命のこの設計は、そのような時代の流れを反映したものといえます。
認知症による介護費用に一時金で備えられる
この保険は、認知症の診断とともに公的介護保険制度で「要介護1以上」の認定があると一時金が支払われます。
一時金としてまとまった金額を受け取れるため、急な介護費用や住宅改修などにも対応しやすくなります。
現金での給付であるため、自由な用途で活用できる点が利用者にとって大きな利点です。
また、経済的な備えがあることで、介護に関わる家族の心理的な負担も軽減されます。
このようにして、介護が必要になった際の準備を効率的に行える仕組みとなっています。
保険料が比較的お手頃
第一生命の認知症保険は、認知症に特化した保障設計となっているため、保険料が比較的安価に設定されています。
一般的な医療保険や生命保険と比較しても、保障範囲が絞られている分だけ費用負担が少ないのが特徴です。
高齢で収入が限られている方でも、無理なく保険料を支払っていける価格帯となっています。
経済的に負担を抑えつつ、必要な保障を確保したい方には適した商品です。
保険料の見直しを検討している方にも選ばれやすい理由となっています。
無料サービスが充実(業界初のサポートあり)
第一生命の認知症保険には、業界でも初の取り組みとして無料の付帯サービスが多数あります。
たとえば、認知機能をセルフチェックできる予防アプリでは、脳の健康を日常的に確認できます。
また、ALSOKと提携した訪問見守りサービスは、離れて暮らす家族に安心を提供します。
さらに、認知症の進行によって保険金請求が困難な場合も、家族や代理人によるサポート体制が整っています。
こうしたサービスは、単なる保険以上の価値を提供しており、加入者とその家族を包括的に支えます。
家族の安心・コミュニケーション促進
認知症の備えを家族で共有することにより、介護に対する意識が高まり、コミュニケーションも促進されます。
第一生命の保険は、本人のサポートだけでなく家族向けサービスも充実しているのが特徴です。
遠方に住む家族でも、見守りサービスや請求サポートなどにより、適切な支援が可能です。
こうした仕組みが、家族間の信頼や安心感を生む一助となっています。
結果として、保険加入が家族の結束を高めるきっかけになることもあります。
現金給付の使い道が自由
この保険では、公的介護保険のような「サービス提供」ではなく、現金による一時金が給付されます。
そのため、受け取った保険金の使い道は、介護サービスに限らず自由に決めることができます。
たとえば、介護ベッドの購入や住宅の改修、訪問介護の導入など、個々のニーズに応じた対応が可能です。
自由度の高い給付は、実際の介護生活の中で柔軟に活用できる点が魅力です。
特に高齢者自身やその家族にとって、使いやすさは重要な要素となります。
認知症リスクに特化して備えられる
この保険は、認知症という特定のリスクに絞った保障内容を持っています。
そのため、保障の重複や無駄がなく、必要な部分に的を絞って備えることができます。
他の医療保険や生命保険と組み合わせることで、全体の保障バランスを取りやすくなります。
認知症に対して明確に準備しておきたいと考える方には、特化型の設計が適しているといえます。
将来的なリスクを見据えて、効率的かつ効果的に備えるための選択肢として有用です。
第一生命の認知症保険のデメリット
第一生命の認知症保険は、加入しやすさや一時金給付などの利点がある一方で、いくつかの注意点も存在します。
ここではそのデメリットとして…
- 契約から2年間は保険金が受け取れない(不担保期間)
- 保険金の受取条件が厳しい
- 軽度認知障害(MCI)は保障対象外
- 一時金タイプのみで年金型が選べない
- 介護全般には対応しない
- 無料サービスの利用制限
- 保険料が割高になりやすい
- 掛け捨て型で解約返戻金がない
…について解説します。
契約から2年間は保険金が受け取れない(不担保期間)
契約から2年間は保険金が受け取れない(不担保期間)
第一生命の認知症保険には、契約から2年間の不担保期間が設けられています。
この期間中に認知症と診断され、保険金の支払事由に該当したとしても、受け取れるのは保険金ではなく、支払った保険料の累計額に限られます。
本来の保険金が支払われるのは、契約から2年を経過して以降となります。
したがって、加入後すぐの保障を期待している方には向かない側面があります。
加入時には、この不担保期間の存在を十分理解したうえで検討することが重要です。
保険金の受取条件が厳しい
保険金の受取条件が厳しい
保険金の支払いには、「医師による器質性認知症の診断」と「公的介護保険における要介護1以上の認定」の両方を満たす必要があります。
この2つの条件を同時に満たさない限り、保険金の給付は受けられません。
仮に認知症と診断されたとしても、介護認定が要支援レベルであれば支払い対象外となります。
また、器質性認知症でないケース(うつ病などに伴う仮性認知症など)は対象外となる点にも注意が必要です。
保険金を確実に受け取るためには、条件の確認が欠かせません。
軽度認知障害(MCI)は保障対象外
軽度認知障害(MCI)は保障対象外
第一生命の認知症保険では、軽度認知障害(MCI)は保障の対象外とされています。
MCIは認知症の前段階として注目されており、発症を早期にとらえたいというニーズも増えています。
他社ではMCIを保障対象に含めている商品も登場しており、比較するとこの点は見劣りします。
MCI段階でも生活に支障を来すケースがあるため、対象外である点は大きな制限といえます。
早期発見・早期支援を重視する方には、他の選択肢も検討する必要があります。
一時金タイプのみで年金型が選べない
一時金タイプのみで年金型が選べない
第一生命の認知症保険は、給付が一時金のみに限定されており、年金形式の定額支給は選べません。
一括で保険金を受け取れるのは便利な反面、長期間にわたる介護費用には対応しにくい場面もあります。
特に、介護が何年にも及ぶ場合、費用の使い道や配分に工夫が必要になります。
年金型の保険商品であれば、支出計画に応じて給付を受けられるメリットがあります。
給付形式の違いは、将来設計の考え方によっては大きな判断材料となります。
介護全般には対応しない
介護全般には対応しない
この保険が保障するのは、あくまで認知症が原因で要介護状態となった場合に限られます。
加齢による衰弱や骨折、病気など他の原因による介護状態は保障対象外です。
そのため、広く介護全般に備えたいと考える方には向いていない商品といえるでしょう。
総合的な介護リスクに対応するには、別途介護保険への加入が必要になります。
保障範囲が限定されている点を理解した上で、必要に応じて補完することが求められます。
無料サービスの利用制限
無料サービスの利用制限
第一生命が提供する「代わりに訪問サービス」などの無料付帯サービスには利用制限があります。
契約から2年間はサービスの利用ができず、さらに利用回数も年1回・最大5回までに限定されています。
魅力的なサービスである一方、利用のタイミングや頻度に制約がある点には注意が必要です。
サービスを積極的に活用したいと考える方には、物足りなさを感じることがあるかもしれません。
加入前にサービス内容と利用条件をしっかり確認することが大切です。
保険料が割高になりやすい
保険料が割高になりやすい
第一生命の認知症保険は、健康に不安がある人でも加入しやすい「引受基準緩和型」の保険です。
その分、一般の認知症保険に比べて保険料が高めに設定されています。
長期的に支払うことを考えると、コスト負担が重く感じられることもあります。
価格重視で検討している方にとっては、割高感がデメリットとして意識される可能性があります。
保険料と保障内容のバランスを見極めた上で、慎重に選ぶ必要があります。
掛け捨て型で解約返戻金がない
掛け捨て型で解約返戻金がない
この保険は掛け捨て型であり、途中解約しても原則として解約返戻金は支払われません。
そのため、保険料を支払ってきた期間があっても、途中で辞めれば資金は戻ってきません。
貯蓄性を求める方にとっては、返戻金がないことが大きなデメリットとなります。
老後資金として保険を位置づけたい場合には、他の積立型保険と比較することが重要です。
長期的な視点で保険を選ぶ場合、この点も十分に考慮すべきポイントです。
